Memo 2020年02月ログ

めいこいFDプレイ感想

2020/02/10 カテゴリー:感想 タグ:明治東亰恋伽,ゲーム

「明治東亰恋伽 トワヰライト・キス」をプレイしました。
全員クリアとなったので感想を書いてみたいと思います。

まずゲーム全体の話。
「明治東亰恋伽」の続編というよりはFDという印象のゲームでした。
すでに恋人、夫婦となっている状態から始めるので、かなり甘めでイチャイチャしてくれます。
本編をクリアして各キャラクターが気に入ったのなら、それだけでニヤニヤできる内容かと。
でも全面的に楽しめたわけではなく、マイナス要因もありました。
とくにVita版のFullMoonから始めてしまったため、立ち絵や背景のクオリティが残念なことに。
VitaにDLしてプレイしたら、色々粗が目立ってました。
解像度が低いのは仕方ないにしても、デバッグなどの細かいミスも気になってしまい、ゲームに集中できない部分も。
Vita版は色々ブラッシュアップされていたのだと実感します。

物語としてもかなり気になる点がありました。
まず誰かのルートに入った時の、他の攻略対象キャラの取り扱いです。
例えば鴎外さんを選んで話を始めた場合、本編では音二郎&鏡花の二人がちらりと顔を出す程度でした。
それも音二郎さんは「音奴」として出てくるのみで、芽衣ちゃんは音二郎=音奴とは知らないはずです。
鏡花さんもわずかな接触があるのみで、詳しい話をせずに逃げてます。
そんな状況なのに、「トワヰライト・キス」をプレイしたら、音二郎・鏡花・八雲・藤田と全員交友がありました。
しかも音二郎さんが音奴だと知ってるような口ぶり。
いや、最初の鹿鳴館でろくに会話もしてないのに、いつの間に仲良くなってるの。

鴎外さんだけではなく他のルートも同じ様な状態になっていて、そこが引っかかってしまいました。
「続編」として期待していたけど何か違う。
本編の内容から逸脱している「世界線の違う」話になっているような感覚です。
そこは残念でした。
確かにお話を一本作るなら、他のキャラクターを出した方が便利です。
話も動かしやすいし、お祭りゲーとして盛り上がるしね。
でもそれならいつ仲良くなったのか、詳しい経緯を入れてほしかった。
既に誰かと恋仲になっている状態で別のキャラクターたちとゼロから別の形の関係、友情を築いていくのも、それはそれで美味しい流れだと思うんだけどなぁ。
しかも同じパターンではなく、それぞれのルートによって違っていたりすると面白そう。
「ご想像にお任せします」ってことなのかな。
それとも二次創作で穴埋めしておけ、ということなのか。

全体的に話が短い、ボリュームが少ないという批評も目にしました。
それぞれのルートに物の怪絡みの事件が勃発するも、解決は案外あっさりしてる、とかね。
私個人としては妥当な長さだと思います。
あまり長引くと二人のイチャイチャを楽しめなくなってしまいますし。
恋仲になる前ならともかく、想いが通じた後なら尚更かもしれません。
イチャイチャを期待してプレイしてるのに、物騒な話ばかりされてもアレですし。
物の怪に乗っ取られて別人になってしまった相手とイチャイチャされても嬉しくないし。
丁度良い案配だったと思います。
ついでに言うなら明治編の話ばかりだったので、そこは現代編のおまけもつけるべきでは?
温泉小旅行みたいなノリでもいいからさ。
それなら容易くボリューム増やせるのに、と思わないでもないですが。

色々文句いいつつも、イチャイチャは楽しかったです。
おまけも「画像鑑賞」の他に「思ヒ出鑑賞」なるものがあって、短いながらダミーヘッドシーンを振り返ることができます。
これはかなりありがたい。
FullMoonの方には思い出振り返り機能がなくて、物足りないと感じていました。
「あの場面をもう一度見たい」と思った時、おまけから見ることができるというのはかなり便利です。
無いのであれば本編をもう一度見たらいいんだろうけど、さすがにちょっと手間だし。
ピンポイントで見つけるのも大変だし。
めいこいはダミーヘッドマイク収録音声が売りなわけですしね。そこは推していかないと。
一度プレイした後はおまけを見て思い出に浸りたいタイプなので、他の作品でもおまけが豊富だとわくわくします。
「トワヰライト・キス」のおまけも堪能させてもらいました。
でもフリートークまでダミーヘッドなのはちょっと落ち着かなかったかな。
イヤホンなどを外して再生すると音声小さくなってしまいますし。
物によっては聞きやすい媒体の方がいいな、と思う次第です。

ここからはキャラクター別感想です。

森鴎外

鴎外さんと芽衣ちゃんで探偵コンビ組んで事件解決するのが良かったです。
物の怪がらみだけではなく、ささやかでもいいから事件解決の流れをもう少し見たかったです。
相変わらず饅頭茶漬けになると脱線しまくってましたが。
ギャグネタとして面白いのは最初の一回くらいで、頻繁に出されても食傷気味です。
いい加減、はっきり言った方がいいと思うんだけどなぁ。
食の不一致は地味にストレスになるし夫婦なら話し合わないと……とか余計なこと考えてしまいました。
鴎外さん一人が好んで食すならともかく、周囲に押しつけるのは良くない。
「饅頭茶漬けさえなければいい人なんだけど」とか、ちょっと笑えないかも。
とくに芽衣ちゃん、肉大好きで食べ物になると目の色変える子だしね。
健啖家とまでは言わないけど、二人でもっと美味しいもの食べてほしいです。
ついでに藤田さんから「軍医殿の奥方」扱いされてるのが個人的に良かったです。

菱田春草

すでに恋仲になっているので鴎外さんに暖かく見守られつつ、仲の良い二人が見られて嬉しい。
春草さんが芽衣ちゃんをからかって、なおかつイチャイチャしているのが良かったです。
芽衣ちゃんの方から「もっと慌てたり赤くなった春草さんが見たい」と言われて「いつも見てるだろ」と反論する流れが好きです。
お互い「自分ばかり好きで振り回されてる」と思ってるし、嫉妬もするし。
それ以上にお互いを大切に思っているからこそ、自分を犠牲にすることも厭わない。
そんな話を堪能させてもらいました。
でも、だからこそ芽衣ちゃんが「別れ話」と勘違いする話は腑に落ちない。
なんでそんな勘違いさせるんだろ。
あれは必要な流れだったのかと疑問。
故に昼エンドは納得できず、夜エンドの方がすっきりしてて良かったと思ってます。
もちろんイチャイチャはどちらも良いのですが。
ついでに先述のとおり春草さんに付喪神が乗り移る展開もありましたが、別人とイチャイチャしたって楽しくないわけですよ。
春草さんと芽衣ちゃんの二人が見たい。
温泉話は可愛くて楽しかったです。

川上音二郎

恋人になった状態で置屋に住みつつ、俳優として頑張る音二郎さんを応援する芽衣ちゃんのお話でした。
その舞台上で物の怪絡みのトラブル発生。
謎解きミステリー要素もあって楽しかったです。
ハムレットは無事に公演できるのか?!とかね。
ある程度先は読めたけど、定石通りの展開で安定感ありました。
イチャイチャはさすが大人です、色っぽかったです。
ただ、恋仲になったとはいえ手は出してないんですよね?
少なくとも置屋にいる間はキスだけ……なんですよね?
手を出したら一発でバレますよ、襖と障子が基本の日本家屋な上、女性ばかりの集団生活なんだから。
なのにもう既成事実成立したかのような関係に見えてしまう……。
もし本当に手を出してないのなら、音二郎さん相当の我慢強さだと思うのですが、その辺どうなんでしょうか。
私はどちらも有りだとは思うのですが。
芽衣ちゃんが音二郎さんを抱きしめていたスチルがとても好きです。
腹で男を泣かせることができたら一人前、だそうです。

泉鏡花

今回は様々な物の怪が関わる展開が容易されてますが、一番幻想的な内容でした。
しかも今回は神社の神使が出てくるし、神隠しにも遭います。
鏡花さんにとって不運だったのは神使が犬だったことでしょうか。
とても可愛い狛犬ですが、例え神使だろうと物の怪であろうと鏡花さんにとっては鬼門のようです。
試練を乗り越える、というのがテーマだったかもしれません。
それは物の怪事件を解決するという意味でも、二人の行く末に関してもそうでした。
鏡花さんは芽衣ちゃんとの結婚を師匠に許してもらうよう、努力を続けてました。
確かに身元不明の芸者風情なんて、妾にするならともかく奥方にはおすすめできませんよね。世間的にもね。
そこを納得させるために努力している、というのが良かったです。
ある意味正統派な流れとも言えるかもしれません。
例えば春草さんも良い家の出ですが、芽衣ちゃんとの結婚には鴎外さんの「口添え」があって難なく成立しているだろうと推察できます。
ある意味チートで障害取り除いてる、とも言えます。もちろん、春草さんの場合はそれで良いんだけど。
そこを自分たちの力で乗り越えようとしているのが、鏡花さんと芽衣ちゃんらしいなと思うわけです。
温泉話もめちゃくちゃ可愛かったです。

藤田五郎

すでに夫婦となった後の二人が事件に巻き込まれてしまう展開でした。
それはそれで面白かったけど、初っぱなから「離縁」ネタが出てきて正直……。
いくら芽衣ちゃんが素っ頓狂な思い込みする子だからといって、突飛すぎやしませんか。
自分に自信がなくて不安というのは判るけど、相手のことを信じてないって事にもなりますし。
しかも、そこまで疑っておきながら呉服屋に到着して吹き飛んでたし、その後伏線になってるわけでもないし。
何を考えてそんなネタを入れたのかな、とは思うのですが。
大筋では藤田さんが過去に捕らえた犯罪者が復讐を企む展開で、なかなかスリリングでした。
最初は惑わされてふらふら踏み込んでしまう芽衣ちゃんですが、いざ捕らえられたら自力で抜け出すなど胆力見せてくれました。
思い込み激しい芽衣ちゃんが成長する話、とも言えるかもしれません。
警察官という以上に辛い過去をもつ藤田さんを支える妻の自覚がしっかり植え付けられる話と考えると、とてもしっくりきます。
FullMoonのおまけにある「大晦日話」にも繋がりますよね。
妻なのに「藤田さん」呼びなのも、後々大晦日になってからようやく「五郎さん」呼びになるのかな、とかね。
ただ、純然たる続編と思うには、他のキャラクターの友好度が妙に高いことが気になります。
本編の鴎外さんや春草さんは鹿鳴館のことを覚えてない様子だったし、音二郎さん鏡花さんなんて一切関わってなかったし。
あの鹿鳴館で厳しい叱責を受けていた子が奥さんになるとか青天の霹靂だし、藤田さんなんて大いにからかわれたりするでしょうに。
その辺のやりとりを詳しく伺いたいのですが。
最後に新撰組話も出てきて興味深い内容になってました。
ですが、永倉さんご存命のはずなのに触れてないのが気になります。
……やっぱり二次創作で自己補完するしかないのか。

小泉八雲

今回は二人が結婚する前の許嫁状態として物の怪事件に巻き込まれるお話でした。
雪女に見初められた八雲さんと芽衣ちゃんが物理接触できなくなるという展開。
八雲さんの女性関係によって振り回される話、とも言えるかもしれません。
勝手に気に入られてしまったとはいえ、雪女の登場で八雲さんと芽衣ちゃんとの間に暗雲漂ってしまうし。
かと思えば、過去に八雲さんと心の繋がりのあった女性によって救われるという。
珍しく芽衣ちゃん以外の女性が多く登場していたように思います。
例えば音二郎さんは人気役者だから当然ファンはいるし、今回キャーキャー言われる場面も出てきましたが。
二人の間を裂こうとするキャラの登場は今回が初めてではないでしょうか。
八雲さんが芽衣ちゃん好きすぎるので、他に障害がないという事情もあるかも知れません。
いくら物の怪大好きっ子とはいえ、闇雲に接触するのは良くないということですね。
最終的には二人の結婚式まで登場してました。
藤田さんが媒酌人になってくれたのも良いです。
なんだかんだと二人を見守ってくれていて、ちょっと嬉しいです。

チャーリー

以前の感想で、どうしてチャーリーだけが大きな力を持つ物の怪なのかと書きました。
今回プレイして、彼はどうも付喪神ではなく神使ではないかと考えを改めました。
鏡花さんが別れの直前「付喪神」と言ってたから、それをそのまま額面通り受け取ってました。
でもそれだけじゃあの力の説明にはならないですよね。
神使と考えるなら納得です。
作中、大いに力を振るって本体も表してましたしね。
鏡花さんの所にも狛犬が出てきましたが、寂れて朽ち果てた神社の狛犬と現役商売繁盛神社のお狐様では格が違うのかな、とか考えてました。
しかしやっぱりチャーリーさんと明治に残るのはまずいと思う。
現に無理があるからこそ芽衣ちゃんはあちら側に呼ばれてしまったわけだし、「いつかこちら側に来る」と言われてしまうし。
その上、二人のやってる事が理にかなってません。
チャーリーさんは衆人環視の中、しかも藤田さんの目の前で芽衣ちゃんを消す(かっさらう)というマジックを行ってしまう。
芽衣ちゃんは肝心なときにチャーリーさんを頼らず、無知故に禁殺扱いにしてしまう。
明治の世で生きようとするどころか、ブチブチと自分たちの行く末を潰しているようにしか見えません。
自分たちで生きづらい状況に追い込んでどうするのかと。
いつまでも鴎外さん春草さんの所にいるわけにもいかないだろうに。
最後の方の芽衣ちゃんは、死んだ後の話をしてるし。
現代戻るエンドで「長生きする」と言ってたことを考えると、あまりに違いすぎます。

そもそもお狐様って願い事の叶え方がエグい印象があります。
例えばお金が欲しいと願って実際に手に入っても、それは大切な家族が犠牲になった結果の死亡保険金だった、とか。
つまり願いを叶える代償、引き換えを勝手に設定するイメージがあります。
そう考えると芽衣ちゃんの願いの代価は自分の命、なんてことにもなってしまうのではないでしょうか。
本編の現代戻るエンドでは他の物の怪たちの声が一切聞こえなくなっているので、彼らの力を代価にしてるっぽいですが。
それはそれでどうかと思うけど。
結論、チャーリールートはドラマ版が一番ハッピーだった、ということで。

いやでも、ほろ苦エンドも好きなんです。
キャラクター死亡ネタも嫌いではありません。
ロミジュリとか、人魚姫ネタとか。
カップルの片割れが永遠にいなくなって、哀惜と悲壮に立ち尽くして涙……とか。
後を追いかけるように消えてしまうとか……。
たまに二次創作で書きたくなる衝動にかられます。
もちろん、その際はフィルターと注意書きしますので。
閲覧は自己責任でお願いします。

……何やら二次創作する前提で感想書いているような気がします。
というか、直接描写されていない事が多くて、つい想像を巡らせてしまうんです。
いつの間に仲良くなったんだよ、とかさ。
そういうのがきっかけで二次創作書きたくなってしまうのかも。
いっそ罠を仕掛けられている気分です。
想像の余地があるとそこを埋めたくなってしまうのは、同人者の性なのでしょうか。
本当に何かアップしたら笑ってください。


めいこいキャラ別感想

2020/02/05 カテゴリー:感想 タグ:明治東亰恋伽,ゲーム

明治東亰恋伽Full Moon、キャラクター別感想です。
ここではゲームの設定のみで語ります。

森鴎外

作家であり軍医であり官僚、大学教授も兼任しているスーパーエリート。
ドイツ留学経験もあって考え方も革新的。
温故知新を地で行くような人ですが、人目もはばからず行水を始める裸族でもあります。
いくら平成JKの芽衣ちゃんでも異性に対して免疫ないのだから、そりゃあ悲鳴の一つもあげたくなるでしょう。まずは服着ろ。
……とはいえ、芽衣ちゃんに対して初期状態で好感度高め。
藤田さんを前に一芝居うつなど、腹芸も得意です。
基本的な言動は少々芝居がかって大げさで、周囲の迷惑を顧みない傾向があります。
いきなり芽衣ちゃんを婚約者に仕立て上げたり美人コンテストに出場させたりと、無理難題押しつけて振り回してくれます。
それにしっかり応えた芽衣ちゃんもかなり胆力ありますね。
肉に釣られまくっていたのは笑いました。
ついでに、鴎外さん目当てでプレイしているのに春草さんが気になるというおまけつき。
鴎外ルート内では、春草さんも案外すぐに好感度上がっていた気がします。
そして鴎外さんは嫉妬心や独占欲刺激されて、それはそれで美味しかったです。
ちょっと大人げなかったけどね。

菱田春草

春草ルートも鴎外さんの婚約者になる展開でした。
ただし、鴎外ルートではさくっと好感度上がっていたのに、肝心の春草メインではなかなかデレてくれず。
序盤は心理的にも苦労しました。
選択肢云々というより、春草さんの芽衣ちゃんへの当たりが辛い。
芽衣ちゃんに対して不信感もあらわで煙たがっている態度を隠そうともしません。
さすがの芽衣ちゃんも失敗して凹んでチャーリーさんにも慰められてました。
芽衣ちゃんもどうしてそんな声が聞こえるのか、判ってなかったわけですが。
鴎外ルートではそんな展開なかったのになぁ。
かなりシビアな始まり方をしてびっくりです。
でもそれを乗り越えると一気にデレてくれて、とても美味しい。
芽衣ちゃんも一生懸命、春草さんのためにと頑張る展開も良かった。
「どうして、そんなにしてくれるの?」と不安げに訊ねる春草さんが可愛い。
見ているだけでニヤニヤです。
ただし好きな子ほどいじめたくなるタイプだそうですが。
芽衣ちゃんを意識するようになると、森鴎外婚約者という立場が彼の心中をかき乱していたのも良かった。
こちらの鴎外さんは大人で、青少年の初恋を見守る態度でした。
コンテスト出場を押しつける言動は変わってないけどさ。
終盤では春草さんの目に纏わる話もでてきて、思ったよりシリアスでした。
エンディング後には夫婦になってアメリカへ旅立つとか。
ワールドワイドな新婚さんです。

川上音二郎

当該ゲームの序盤は芽衣ちゃんが藤田さんに絡まれ、誰に助けを求めるかによってルートが確定します。
鴎外&春草組、川上&鏡花組、藤田&八雲組、その他、というように。
そしてそれぞれの組で迷子の芽衣ちゃんを拾う役目を担っている方が、初期状態で好感度高いというパターンです。
音二郎さんの場合も好感度高め。
でも鴎外さんや八雲さんとは違って、恩を売ろうとか独り占めしようという雰囲気ではありません。
むしろ鏡花さんと仲良くさせようとしたり、かなり面倒見が良い感じ。
良いお兄さん、否、いい姐さんといった空気でした。
というか、まさか彼のルートに入って大半が「音奴」姿だとは思ってもみませんでしたよ。
偶に「音二郎」姿に戻っていたけど、そちらに違和感覚えるくらい「音奴」に目が慣れていた気がします。
それもかなり綺麗な女性に見えるし、下手すると百合っぽく見えたりもして。
ただ、オネエ系キャラを落としてる感じでもないし(当人がそういう趣味はねぇと言ってたし)、中盤までは印象が定まらず変化している感覚でした。
とはいえ、中盤から音二郎さんも本気の恋になっていくし、鏡花さんに対しても牽制するような態度。
嫉妬心や独占欲もちらりと窺えて美味しかったですね。
こちらもエンディング後はアメリカ行きのワールドワイドな夫婦になるみたいです。

泉鏡花

ゲーム後のフリートークでも中の人が仰ってましたが、犬っころのようなキャラでした。
もうキャンキャンと全方向に吠えている感じ。
そのくせ犬嫌い、人間嫌い、雷怖い、バイ菌怖い……と弱点の多い人です。
繊細なので取り扱い要注意な、面倒くさいタイプです。
ツンデレと言えば可愛いですが、この人の場合デレても口が悪いです。
でも芽衣ちゃんに触れようとしたり、照れまくって吠えたりする所をみて可愛さが理解できるようになりました。
若さ故の全力暴走も際だっていたように思います。
茶屋に連れ込む話とか、最後の方は可愛すぎました。
また音二郎さんが保護者状態で、二人の背中を押す役目を担ってくれたのが良かった。
良いお兄さんでした、本当に。
当人のルートもいいけど、保護者になってる彼も好きです。
そして、鏡花さんと芽衣ちゃんの何が良いと言えば、対等な関係であること。
同じ魂依同士だし、芽衣ちゃんが未来から来たことも知ってます。
芽衣ちゃんの方から心を開いた相手、となると珍しいかも。
(未来を知っているキャラは桃介さんもいるけど、彼はまたちょっとタイプが違う)
他の方々には決して言えなかった秘密を打ち明けて共有しているのがいい。
芽衣ちゃんもそれで救われた気持ちになりますよね。
同じ目線で互いに支え合ってる感じがたまりません。
プレイ前はちょっと身構えてましたが、プレイ後は大好きになりました。

藤田五郎

初っぱなから芽衣ちゃんにキツく当たって尋問するような人です。
他ルートでも顔出してますが、概ね芽衣ちゃんのトラウマになってます。
本当に攻略キャラなのかと思ってしまうくらい、当たりが厳しいです。
ルート序盤も猜疑心の塊で、全くといっていいほどデレてくれません。
暴漢からは助けてくれても、弱っている芽衣ちゃんを気遣うような素振りもない。
ところが、ほんの少しずつでも芽衣ちゃんから近づいていくと、ふとした優しさが見えてくる。
無愛想無口無表情な中に、妙に世話好きな一面が現れてきました。
芽衣ちゃんは考えなしに突っ込んで自爆してますが、小言を零しながらも突っぱねることなくご飯作ってくれたりホテルまで送ってくれたり。
「嫁入り前の娘が」と散々言われてしまいますが、その発言するようになってしまったら、もう監視対象の魂依ではなくなっているわけですよ。
この展開にはニヤニヤが止まらなくなりました。
序盤がキツいだけに、中盤以降はもう頬が緩みっぱなし。
デレるまでかなり時間かかった印象でしたが、途中「硬派」と言われて激怒したり、八雲さんのちょっかいに振り回されたりとかなり美味しかったです。
とくに八雲さんの「藤田サァン!」という言い方と「このむっつりポリスメン!」は最高でした。
しばらく笑いが止まりませんでした。
芽衣ちゃんからぐいぐい推して、家に押しかけているのも良かったなぁ。
肉食系女子の名は伊達ではないかも。
最終的にかなり好きなキャラクターになったし、芽衣ちゃんとの組み合わせも好みです。
デレたら最強。

小泉八雲

エキセントリックなキャラクターですが、基本的に初期値から好感度高いです。
私個人の印象としても、鴎外さんや音二郎さんより恋愛度が高いように見えました。
ホテルに泊める代わりに助手をしてくれと頼みますが、さっさと結婚話が出てきます。
一年は待つと言いつつ、いつの間にか前倒しになっていたり。
プレイ後の小話でもチェンバレンからの手紙が掲載されていましたが、当初「助手」と言っていた人物が同じ手紙の中で「婚約者」に変わっていて混乱したと冷静に突っ込まれていました。
当人も短気と言っていたし、かなり気が早いです。
キャラクター紹介文には腹黒と明記されてましたが、私の印象では気分屋って感じかなぁ。
言動がコロコロ変わりますよね。
藤田さんに対して憎々しげな評価の一方で「親友」と言ったり、皮肉なのか天然なのかジョークなのか腹芸なのかイマイチ読めません。
とはいえ、芽衣ちゃんに対して憧れの目を向けたり、物の怪への愛情が溢れていたりと基本的には善人です。
すぐに恋心を抱いていたとはいえ、気持ちを確かめるまで紳士的な態度を貫いてましたしね。
また、ホテルに現れる外国人女性の物の怪との心温まるハートフルな接触があったりして、色々意外でした。
藤田さんもあまり出てこないし、二人っきりの世界を構築していたように思います。
新聞記者として謎を解明しようとする姿勢は好き。
でも物の怪が絡むと言動がエスカレートするのは如何ともしがたい。
「あそこに物の怪が」と言われて芽衣ちゃんほったらかしにしてすっ飛んでいくのはどうかと思いますが。
そのネタを藤田さんも使っていて楽しかったです。

岩崎桃介

Full Moonからの新キャラだそうです。
出会いは鹿鳴館から逃げた後、自動車に乗っていた桃介さんと接触するところから始まります。
現代の千円と当時の千円の違いもわからず慰謝料として大金を受け取ってしまいます。
本当ならその金で帝國ホテル豪遊できますが、芽衣ちゃんにそんな度胸があるはずもなく。
音二郎さんに拾われて置屋に置いてもらうわけですが、ここでも音二郎さんは本当にいい人です。
身分不相応な大金所持した小娘拾ったのに、だまし取ろうなんて下心が一切ない。
音二郎さんと桃介さんも知り合いで、大人同士微妙な距離感を保ってました。
桃介さんは神楽坂に通って芽衣ちゃんを指名するようになります。
芸者遊びもスマートにこなす実業家の青年と、まだ「お酌さん」の下っ端少女の駆け引き。
この辺りの展開はかなり良かったです。
そもそも桃介さんと芽衣ちゃんって、まったく正反対のパーソナリティの持ち主ですよね。
物の怪憎しで行動する魂依と、物の怪に同情的な魂依。
アメリカ留学経験もあり慶應大学で研究も行っている青年実業家と、何の取り柄もない普通の女子高生、未来から来たという設定つきです。
その未来を見ていたが故に、桃介さんは芽衣ちゃんの中に計り知れないものを感じ取るわけですが。
芽衣ちゃんは色恋に対して免疫が全くなく、駆け引きなんてしてるつもりもない。
けれど、幼さや望郷や未練といったものが桃介の焦燥を煽る形になっていたのが良かったです。
そしておまけを見ていたら、桃介さんも天然入っていることが判りました。
話に引き込まれてプレイしていたし、とても楽しかったです。

チャーリー

全員のキャラを攻略した後、ルートに入ることのできる隠しキャラです。
物語の語り部でもあり道化でもあり、ナビゲーターの役目も背負ってます。
芽衣ちゃんを明治に連れてきて記憶喪失になったのも、概ね彼が原因。
他のキャラを攻略している間は、存在を忘れてしまいそうになります。
最初と途中、最後にちらっと出てくる程度。
チャーリーさんの言動を見ていると、本気で怒る芽衣ちゃんをはぐらかし、軽口叩いて真実をごまかしている印象でした。
ドMぶってみたりストーカー自称していたり、でもそれも芝居めいているというかわざとらしいというか。
実際、色々隠していることはありました。
しかし、それも全部芽衣ちゃんを想う気持ちが根底にあった。
決して芽衣ちゃんを無下に扱っているわけでも、はぐらかして弄んでいるわけでもなかった。
芽衣ちゃんを置いて突然消えてしまう謎も少しずつ判明します。
彼が人間ではなく、物の怪だから。
芽衣ちゃんはこの明治へタイムスリップしたから魂依になったのではなく、元から魂依の力を持っていたから。
人とそれ以外の存在である二人が障害を乗り越え、最終的に結ばれる展開はとても良かったです。
ただ、明治時代に残るより現代の方が良かったかな。
明治に残った芽衣ちゃんが昼間一人、どうやって生活するのか、心配と不安しかありません。
でも一番胸に突き刺さったのは、結ばれないまま現代に戻るエンドかも。
家族の記憶は戻ってもチャーリーさんのことは忘れたままのエピローグには泣きました。
ガチ泣きでした。
切なすぎて駄目です、あれは卑怯です。
実写ドラマの完結編である映画をみて、どれだけ救われたことか。

しかしチャーリーさんのおまけを見たら、話が続いているという罠が仕掛けられてました。
涙も吹っ飛びましたよ。
これはFDをプレイしろという思し召しでしょうか。
毒を食らわば皿まで、と言うべきか。
登場キャラクター全員好きになったことだし、続編も見届けたいです。


サイト変更とめいこい感想

2020/02/01 カテゴリー:サイト情報,感想 タグ:明治東亰恋伽,アニメ,案内

サイト情報を整理しました。
とくにトップページがごちゃついていたので、一部の文言を修正。
プレイ予定ゲームにめいこいFDも入れました。
今後、取り扱いジャンルに入るかもしれませんが、実際に更新してから修正したいと思います。
これはめいこいに限らず、他のジャンルも同様。
ページに一つでも絵や小説をアップしたら、取り扱いジャンルとして載せる予定です。
ブログにらくがきとして載せたものは、取り扱い未定という扱いです。
ギャラリーや小説ページに載せて初めてコンテンツになる、という線引きをしてます。
忘れないようにメモ。

そして先日、ポチっていた劇場版アニメ「明治東亰恋伽~花鏡の幻想曲~」DVDが届きました。
しかし、一緒に頼んでいた「弦月の小夜曲」DVDは在庫確認中のまま、微動だにしません。
つまり劇場版前後編の後編が先に届いてしまった、ということです。
なんてこった。
先に完結編から見ろというのか。
あらすじは鏡花さんルート基準らしいのですが、細かい部分でゲームとは異なるみたい。
その辺り、鏡花さんがいかにツンからデレる展開になるのか、気になって仕方ありません。
物語として完結が見られるからといって、途中経過だって重要。
できれば早く届いて欲しいところですが。

我慢できずに後編から先に見てしまいました。
結果、あまりよく判らない感じです。
桃介さんが完全悪役だったり、春草さんが可哀想だったり。
キャラの扱い方に差がある印象です。
当たり前と言えば当たり前なんですが、全体的にも消化不良。
鏡花さんとくっつくエンドだったのは良かった!
そこだけは本当にほっとしました。
でもやっぱり前編が気になって仕方ありません。
鏡花さんと芽衣ちゃんが出会って、ツンツンしてた鏡花さんが徐々にデレる展開、アニメで見たいです。
このままもし届かなかったらどうしよう。
非情に心細い状況ですが、今は耐え忍んでいきたいと思います。

色々めいこいに引きずられてます。
この調子でまだまだ感想書いてアップしたい。
劇場版の感想も前編が届いたらしっかり書いてみたいです。
今は「鏡花さんと明治残るエンドで良かった」としか言いようがない。
見て書くのと見ないで書くのではまるで違うわけですしね。
その辺りは臨機応変に。
次こそ、ゲームのキャラクター別感想を書いてみたいと思います。
そしてFDをプレイしてイラストも描きたいです。
色々と楽しみ。


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