三国恋戦記感想・2
2021/01/30 カテゴリー:感想 タグ:三国恋戦記,ゲーム
三国恋戦記のキャラクター別感想です。
物語の根幹に関わるネタバレを含みます。
未プレイという方はご注意ください。
ブラウザバックすることをオススメします。
劉玄徳
蜀の君主。
皆をまとめる兄貴分で、情に厚い生来のリーダー体質です。
花ちゃんの理想像は「年上で、頼りがいのある人」。
ルートに入らない場合は良き兄貴分として、花を送り出してくれます。
花と恋に落ちる場合はかなり情熱的で、当人も感情的すぎると自嘲してました。
黄巾党時代に飛ばされたことは玄徳さんにとっても転機となり、仮初めとはいえ擬似夫婦や兄妹を装うことで距離が近づきすぎてしまったのかもしれません。
友好度はかなり早くから上がっているものの、あからさまに態度が変わるのは飛ばされた後からです。
お互い様というか似た者同士というか、花ちゃんもかなり感情乱されてました。
軍師であること忘れてるんじゃないかと危惧してしまいます。
その辺りは恋愛免疫のない未熟さの現れかもしれません。
現役女子高生とはいえ恋愛経験のない子に、婚約者ネタは刺激が強すぎたか。
とはいえ、花ちゃんも土壇場で肝が据わる子だから、いざ君主の奥方となれば大丈夫でしょう。
君主といっても立身出世を体現して成り上がったので、花ちゃんと身分の差みたいなものはあまり感じません。
良い夫婦になって互いを支え合う関係になると信じてます。
関雲長
玄徳さんの右腕となる頭脳派冷静沈着クール系で、料理が得意な世話焼きキャラでもあります。
他のルートでも本を届けてくれたり、恋愛の後押ししてくれたりと力になってくれます。
当人のルートに入って初めて、彼もまた本を使って入り込んだ現代男子高校生だと知ることに。
二度目のプレイも色々新鮮だったし、黄巾党時代に飛ばされた後の子細は忘れていることも多かったです。
キャラクターの名前が字の謎とか、本の仕組みとか本物の雲長さんとのすり替わったタイミングなど大筋では把握していても、細かい部分はさっぱり覚えていませんでした。
何度も一人で脱出しようと試みて絶望を繰り返したからこそ、彼は年齢以上に成熟して見えたわけです。
どこか影があるのも一歩引いた態度だったのも、全部本のせい。
芙蓉姫はそんな雲長を「むかつく!」と噛みついてました。
彼が自分自身を「異物」として卑下していたからこそ、芙蓉は勘の良さで察して反感を覚えていたのかもしれません。
ちなみに、花ちゃんの理想像は「年上で、ちょっと陰のある人」。
終わり方はハッピーエンドだと思います。
雲長さんも長岡くんも好きだし、花ちゃんとお似合いだと思う。
でも「雲長さん」との恋愛過程を見てきたから彼の生き様に思い入れあるし、こちらも「大人で陰のある人」という前提でプレイに入っていくから、理想と違う所に着地しちゃったなぁと。
ネタバレを知った上でプレイしてもやっぱり少し気になっちゃいます。
張翼徳
玄徳さんを兄いと慕う脳筋系犬っころキャラです。
玄徳・雲長・翼徳で義兄弟の契りを結んでます。
花ちゃんの理想像は「年上で、明るくてほっとさせてくれる人」。
いやいやいや、翼徳のどこを見たらほっとする?!
……と思ってしまうのは、彼が奔放すぎる性質だからでしょうか。脳筋すぎるというか。
黄巾党時代に飛ばされた後なんて、自由気ままな彼の言動に振り回される一方でした。
その上、酒呑むと人が変わる二重人格的な部分もあります。
気に入らないことがあると腕力に訴えるし、そのせいで部下に裏切られてしまいます。
一応、ガチの精神病的二重人格ではなく酔いが覚めれば謝ったり反省します。
花ちゃんもなんだかんだと絆されてこっちの世界に残ったように感じていました。
だからこそ何かもやもやしたものがあったのですが。
でもエンディングを迎えた後の追加エピソードを見て印象変わりました。
やっぱり花ちゃんは好きになった相手から目を逸らさず、まっすぐ向き合うキャラなんだと。
酒を飲んで我を忘れる彼に対しても変わらぬ態度を貫いて、受け入れる姿勢は素晴らしいです。
花ちゃんがいるかぎり、翼徳が暴走することはないだろうと思えるようになりました。
結婚して幸せな家庭を築いていってほしい。
趙子龍
玄徳軍の中でも年若いエース的なキャラクター。
身長は花ちゃんより少し上くらいで、女装して妓楼に潜り込むことができるくらいの美形です。
上背はなくとも俊敏な動きで、曲芸のようなパフォーマンスもしてみせます。
かと思いきや、長く重い槍を軽々扱うなどフィジカルも強靱。
性格は真面目一辺倒で、曲がったことが嫌い。
何事も一直線すぎるため、柔軟さに欠ける所もあります。
恋愛に対する免疫が皆無で、女の子を意識するようになるのも花ちゃんが初めて。
それも旅の途中で裸を目撃してからが出発点です。
でも花ちゃんは融通のきかない子龍相手に根気強く話をして納得してもらおうとするし、逆に花ちゃんの無知さ危機感のなさに子龍が振り回されることもあります。
花ちゃんの理想は「同い年か年下で、真面目で誠実な人」とのこと。
二人ともまだまだ未熟だし、それを自覚しつつもうまくいかなかったり試行錯誤していて、二人で一緒に成長しようとする所が良いです。
周囲の大人達もそんな二人を見てやきもきしたり、ちょっかいかけたくなるのかもしれません。
武将達がからかうことで騒動の原因になるし、孔明は舅みたいな立ち位置で厳しく忠告したりします。
そんな周りの反応も含めてほのぼのカップルだと思います。
諸葛孔明
ヒロイン・山田花が本の世界に飛ばされた一番最初に出会ったキャラクターです。
彼の助言が花ちゃんの道を示し、行き先を提示してくれます。
それに従うことで玄徳さん一行と出会い、孔明の弟子という身分を貰って居所を見つけることができました。
顔を合わせるのは花ちゃんが軍師として初陣を飾った後になるけど、それ以後他者のルートでも基本は師弟関係を続けていくとになります。
雲長と並んで物語のキーとなる人物。
謎が解けるのは黄巾党時代に飛ばされた時です。
他のルートでも何度か出会っている亮という少年こそ孔明の少年時の姿で、花ちゃんとは昔出会っていたということになります。
所謂タイムスリップものとしての仕掛けがそこに施されているわけです。
花ちゃんは物語が進むごとに成長していくわけですが、最初は本当に頼りないただの女子高生でした。
様々な経験をして知識を得て、師匠と名乗る孔明に導かれて一歩一歩成長していきます。
その成長した花ちゃんと少年が出会い、少年は憧れを抱く。
成長して再会したと思えば、彼女は何も知らない。記憶がないのではなく、別の世界から来たのだと知る。
下手に頭脳明晰で察しが良すぎるため、花ちゃんの正体や彼女の言う「師匠」が誰なのか気付いて対応し、早く元の世界に返そうとする。
自分の恋愛感情を置き去りにして。
でも黄巾党時代を経た花ちゃんはもう孔明が好きになっているわけで、二人のすれ違いはもどかしくも焦れったいものがありました。
彼の「おかえり」には泣きそうになったし、彼が本のページをめくる頃にはボロボロと涙が溢れてしまいます。
孔明のような初恋拗らせキャラには弱いです
曹孟徳
三国志演義では敵役ですが、三国志としては最高最強の英傑。
恋戦記の攻略キャラとしては一番位が高く、一番大人だと言えるでしょう。
広く世の中を見据える一方、言葉の表裏を見抜く力を持つ驚異的な観察眼の持ち主です。
初めてプレイしたときは彼の言動に振り回される花ちゃんに寄り添ってプレイしているので、「嘘をつかない」という言葉の意味を間違って捕らえていました。
まったくそのまま、彼は人の嘘を見抜いてしまうわけで、彼の前で嘘もごまかしも通用しないわけです。
それを把握した上でプレイしてみると、なるほどと納得する部分が多くありました。
花ちゃんは何も分からない中を手探りで真実にたどり着こうとするものの、どうにもならない状況まで追い込まれてしまう。
問題はやっぱり花ちゃん自身、自分がどういう立場に立たされているのか、正確に分かっていないことが原因です。
彼女が現代日本の現役女子高生であるというパーソナリティは、その特異性で孟徳の目を引く結果になります。
この世界で彼女は明らかに異物で、だからこそ興味津々。
好きになるのも彼にとっては自然な流れなのでしょうが、数多く存在する彼の奥方と同列扱いです。
彼の感情メーターがなかなか上がらないのも納得。
花ちゃんが自分を貫いて自分の目と耳で確かめたものを信じて体当たりしてきたからこそ、孟徳にとって唯一の存在となるのだと実感しました。
エンディング知っているはずですが、何度プレイしても毒矢に打たれて倒れるシーンで涙腺決壊してしまいます。
荀文若
孟徳の右腕として彼を支え続けた文官です。
史実で自死を選ぶのも知ってました。
バッドエンドもある意味納得ですが、攻略対象として見るとあまりに頼りないように思えてしまいました。
乙女ゲーム全般をプレイするとき、心のどこかでヒロインの親になったような気分になるときがあって、攻略対象を「この子(ヒロイン)を任せられるかどうか」という目線で見てしまうことがあります。
文若も若干、そんな気持ちになってました。
どんな事情があれ、自死を選ぶというのは……。
恋愛とは関係ない所でマイナスポイント加算されて、自分の中での好感度順位が下がり気味。
バッドだから仕方ないとはいえ、攻略対象が死んで終わりというのは後味悪すぎました。
もちろんヒロインが死ぬのも後味悪いけど、それとは違う辛さがあって物語に集中できないというか何というか。
……なんて思っていたのですが、二度目のプレイで印象変わりました。
堅物キャラが本気の恋に落ちて振り回されているのが良かった。
黄巾党の過去にすっ飛ばされて狼狽えていたのも可愛いと思えたし、その後は落ち着いて旅していたし。
何より追加エピソードが反則的でした。
孟徳の罠にかかって振り回され、感情爆発させていたのが良かったです。
ただし一番気の毒だったのは元譲でした。
孟徳の無茶ぶりによく耐えて頑張ってました。
つい頑張れと応援したくなります。
孫仲謀
呉の君主ですが、ヒロインより年下キャラです。
花ちゃんの理想は「同い年か年下で、一緒に成長していける人」。
成長というか、同じレベルでケンカしているイメージがありました。
三英傑の中で一番幼い印象もあって、ツンデレキャラに相当します。
身分の差というなら孟徳も相当ですが、彼が根回しすることである程度の摩擦を最小限に抑えていた気がします。
仲謀の場合は花ちゃんが自ら立ち向かわなければならない問題となって浮上してくるわけです。
二人が同じ目線で同じ様に肩を並べるためには、乗り越えなくてはならない問題が山積。
そう考えるとちょっと頼りないように感じてしまったのが初回プレイでした。
二度目のプレイでは、随分印象が変わりました。
仲謀がちゃんと花ちゃんに向き合っているし、二人で問題に取り組もうとしているし好きと自覚した後の彼の言動には感銘を受けました。
デレるまで言動キツいけど、デレた後はしっかり惚れ込んでいるのが伝わってきます。
そういった意味で恋愛度も高いルートだったように思います。
年上の花ちゃんが無防備すぎて、仲謀が気の毒になってしまうけど。
個人的に辛いのは仲謀ルートに入ると公瑾が敵役になること。
こればっかりは仕方ないと割り切るしかありません。
尚香ちゃん二喬ちゃんたちがいるから、寂しくはないし。
追加エピソードでお母様の貫禄にやられました。
格好いいなぁ、呉夫人。
周公瑾
呉の君主である仲謀を補佐する都督。
花ちゃんの理想は「年上で、基本冷たくてたまに優しい人」。
この文言が妙に具体的で面白いです。
どんな人物を想定してこんな言葉が出てくるんだろうか。
何かハマっている漫画とかドラマがあったのかな。
ともかく、彼女の理想どおりに冷たいクール系キャラで、内面熱いタイプでした。
毒舌家で嫌味連発で、他のルートでも彼は概ね厄介な交渉役でした。
自分でもそういう役回りだと自覚しているし、性格と根性がねじ曲がっているのも分かっていて直す気はないという。
花ちゃんが呉にやってきて初っぱなから仲謀・公瑾とぶつかり合っていたし、公瑾は仲謀と違うベクトルで言い合いになる展開だった気がします。
いきなり十万本の矢所望だし。
軍師として認めた上で花ちゃんのお花畑理想論を大上段から叩き潰しにかかるけど、花ちゃんも現実を知って考え抜いた先に意思を曲げない根性見せたのが良かったです。
とはいえ、黄巾党にすっ飛ばされてからは完全にデレモード。
口先ではなんと言おうと、花ちゃんへの恋心がダダ漏れになっているのが良かったです。
それだけに辛い展開も待っているけど、花ちゃんがまっすぐに真っ正直にぶつかって懐に飛び込んだ結果のハッピーエンドです。
何度プレイしても感動するし、泣いてしまいます。
とくに怪我の看病シーンで、公瑾が心情を吐露する場面は最高です。
その前に刃を向けて足掻こうとする公瑾と花ちゃんの会話からやばいですね。
涙ぽろぽろ溢れてしまいます。
そして最後に花ちゃんを引き留めるシーンの、面倒臭い告白シーンがトドメです。
色々やられました。
早安
仲謀・尚香とは異母兄弟にあたる亡き孫文の庶子。
ゲーム的にも隠しキャラで、攻略条件にも制限がありました。
全体から見ても出番は限られたルートのみで、尚香になりすますなどスパイ的な役割を担ってました。
仲謀にも存在が知られていない、まさに影に生きる子です。
花ちゃんの理想の件、仲謀と途中まで同じルートになるのでやっぱり「一緒に成長できる人」になるのかな。
そう考えると色々複雑な心境になります。
まさに光と影の表裏一体。
仲謀が表から堂々と花ちゃんを嫁に迎えたのと対照的に、早安は二人で逃げた先に幸福がある。
どちらが良いかなんて比べられません。
どちらも幸せには違いないだろうな、と。
最初の頃は感情が全く見えない人形みたいだったのに、花ちゃんと対話することで人間的になっていくのが良かった。
黄巾党時代は巻き込まれてすっ飛ばされたのが面白かったなぁ。
そこから手探り状態でコミュニケーションとっていたけど、お気に入りの食堂につれていった辺りでは普通の少年でした。
ここでも公瑾が敵役になるのが辛いけど仕方ない。
追加エピソードや思いでがえしなどのFDを見てから好きになったキャラです。
くっついた後こそ本番だと思ってます。
以上、キャラ別の感想でした。
二度目のプレイで印象が変わったキャラ、変わらずにいたキャラと色々ありました。
総じて好印象だったし、全体的にも好感度上がってます。
多少ポイント下がったと言っても誤差みたいなもので、無関心や嫌いになったわけではありません。
作品自体も改めて好きだと実感してます。
この熱量のままFD思いでがえしプレイとドラマCD拝聴になだれ込むわけです。
プレイ自体はもう終わっているので、あとは感想まとめるくらいでしょうか。
そのうちアップしたいと思ってます。
時間かかっても色々語ってみたい。
それが終わったらお絵かきもしたいところです。
二次創作もできたらいいな。
何にせよ、気持ちの赴くままマイペースに更新したいと思ってます。