『Sentimental』 エレン×アンジェ

両片想い・恋愛未満

 

髪に触れられることは好きじゃなかった。
子供扱いされているようで、反発を覚えた。

なのに、その指に触れられて感じたものは圧倒的な熱量。
微かな甘みを伴った、胸の痛み。

「エレンフリートさんの髪は綺麗ですね」
彼女はそう言って微笑む。

よっぽど貴女のほうが綺麗だと言いかけた口を、慌てて閉じた。
世迷い言だ。冷静な自分なら真っ先に切って捨てるだろう妄言だった。
そんな言葉を口走りそうになった自分が、信じられなかった。




【終わり】

初出:2009/01/15

LastUpdate: